ミドルエイジ・クライシスという転換点 シリーズ―セミリタイアの心理学【ミドルエイジ・クライシス編①】

最近、「ミドルエイジ・クライシス」という言葉を目にする機会が増えました。

中年期に差しかかる頃、理由のはっきりしない虚無感や、モヤモヤした違和感を覚える状態を指す言葉です。

10代の若者がアイデンティティの危機を迎えるように、40代も、自分が何者なのか見失いやすい年頃と言え、第二の思春期」「思秋期とも呼ばれます。

仕事も家庭も、それなりにうまく回っている。
社会的な評価も、ある程度は得た。
それでも、「このままでいいのだろうか」と感じてしまう。

私自身もミドルエイジになり、この感覚について考えていたとき、中田敦彦さんの動画を見ました。

そこでは、多くの中年が言葉にできずにいる感覚を、よく整理していると感じました。

本稿では、その気付きから出発して、ミドルエイジ・クライシス(MC)とは何なのか。

そして、なぜこの時期に、あのような感覚が現れやすいのかを整理してみたいと思います。

目次

40代で訪れる、言葉にしにくい違和感

それなりに目標を成し遂げ、ある程度は社会的な地位も手に入れた。
それなのに、その先に、ぽっかりとした空白のような時間が現れる。

「この先、何を目指して、生きていけばいいのか分からない」

この感覚は、失敗したから生まれる絶望ではありません。
むしろ、「ある程度やり切った」からこそ訪れる違和感だと言えます。

ミドルエイジ・クライシスの正体

中田さんは、ミドルエイジ・クライシスを「人生の通知表が一度出てしまった感覚」とまとめています。

家庭や仕事、社会的な役割など、世間で「目標」と呼ばれるものについて、「だいたい、このくらい」という結果が見えてくる。

すると、その先に、思っていたよりも長い余白があることに気付きます。

「これからも、この状態を続けるのだろうか」

この問いが、静かな違和感として浮かび上がってくる。
それが、ミドルエイジ・クライシスなのではないでしょうか。

夢は、いずれ終わる

夢は、人生を前に進めるための強いエンジンになります。

ただ、その夢は、挫折しても、達成しても、いずれ役目を終えます。

そのため、成功した人も、うまくいかなかった人も、同じような感覚を覚えることになります。

この点に、ミドルエイジ・クライシスの普遍性があるように感じます。

なぜ「次の夢」が見つからないのか

では、新しい夢を持てばいいのか?

ここで多くの人がつまずきます。

20代から長い時間をかけて育ててきた夢と、同じ重さの夢を、40代で見つけるのは簡単ではありません。

それにもかかわらず、「次も同じくらい大きな夢でなければ」と考えてしまう。
すると、小さな関心やささやかな楽しみが、どれも物足りなく見えてしまいます。

問題は、やる気がなくなったことではありません。

これまで使ってきた「夢というエンジン」が、身の丈に合わなくなってきただけなのだと思います。

次の”標的”は何だっ?! ゴルゴ13より

自分だけの関心事を、大事にする

そこで、一つの考え方が浮かび上がってきます。

それは、「誰にも評価されない、小さくて個人的な関心を大事にする」という発想です。

共感される夢は分かりやすく、かっこいい✨
ですが、その分、評価や環境に左右されやすい。

一方で、誰にも共感されない欲望は、外部の評価に縛られません。
だからこそ、長く持ち続けることができる。

他人には理解されなくても、自分だけは大切にできるもの。
そうした欲望が、人生の後半では、意外な支えになるのかもしれません。

人生は「魔王を倒した後」から始まる

人生をゲームに例えるなら、前半は分かりやすい目標に向かって進む時間です。

レベルを上げ、装備を整え、目的を達成していく。
「魔王を倒す」という明確な目標やストーリーがあり、それに沿って、ただ前に進んでいけば済みました。

ですが、レベルが上がりきった後の世界は、どうしても単調になりやすい。

これ以上、強い装備は手に入らない…🛡
ラスボスも楽勝!

だから、一度リセットして、レベル1から遊び直すことが重要になってきます。

そして、その時の目標は、前より小さくて、地味で、ダサくて構わない。

「薬草を集める」でも「村人全員に話しかける」でもいいんです!

誰も評価はしてくれないかもしれないけど、その方が、長い後半戦を楽しめることもある。

そんな視点が、ここにはあります。

小括:空白が生まれる理由

ミドルエイジ・クライシスは、気力の低下や甘えではありません。

これまで頼ってきた基準や目標が、一度役目を終えたあとに生まれる「空白」と言えます。

では、この空白の時間を、どう受け止め、どう過ごしていけばよいのか。

次回は、この問いを、「セミリタイア」という視点から、もう少し具体的に考えてみたいと思います。

この記事を書いた人

2021年からセミリタイアを目指し奮闘中。節約、株主優待、資産運用が好き。
臨床心理士、宅建士、FP2級、自分探し検定5級🌟
趣味は湯治♨レトロゲー🎮名水マニア💧
リタイア後のマインドの持ち方などについて、心理学的観点から整理してます。

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