突然ですが、幸せな人生を送りたいですね。
そのために、私は、セミリタイアを目指しておりますが、じゃあ、「セミリタイアしたら、幸せなのか?」というと、そうでもない💦
あくまで、セミリタイアは「幸せな人生を送るためのステップ」であって、「幸せそのものではない」のです。
じゃあ、「幸せな人生」って何だろう?
おそらく、多くのセミリタイア・FIRE志望者が、この問いにぶち当たり、向き合って、各自の答えを導いているのだと思います。
私も、これまで、様々な本やブログなどを頼りに、「少欲知足」や「死ぬときに後悔しない方法」について考えてきましたが、これが本当に難しい💦

しかし、私が悩んでいたこと、ぼんやり考えていたことに対して、ズバリ切り込んだ本を見つけました!
非常に読みやすい本なので、同好の士の皆様にも、ぜひおすすめしたい一冊です。
「中年期の危機」の前倒し、若年化
まずは、現状整理と言うことで。
「中年期の危機」とは、資産や肩書など、青年期に必要と思っていたことが、必ずしも真の幸せにはつながらないと分かり、生きる意味を問い始めることを指します。
- 自分は、自分らしく生きてきただろうか?
- これまでの延長線上で、これからの人生を歩んでいってよいのか?
最近では、こうした実存的な問いを持つのは、何も中年に限らず、若者にも多いというのです。
ただ、著者は、「生きること・働くことの意味を求める」という実存的な飢えは、現代では当然だろうと考えます。
私も、40代になってから、特にこうした問いを持つようになりました。
人生の折り返し地点を過ぎて、過去を振り返るとともに、今後の方向性を今一度見直したい…
セミリタイアを目指す背景には、このような思いがあるのです。
「有意義さ」を求めすぎると、つらくなる
納得の行くセミリタイア生活を目指すため、何が必要か?と日々悶々としています。
しかし、なかなか答えは出ません💦
それに対し、本書は、次のように指摘します。
現代は目的志向すぎる。
「有意義に過ごせない=自分には価値がない」というのは、誤解だ
そして、現代で言う「価値」とは、「お金になる」「知識やスキルが増える」など、何かしらの目的意識に紐づいていると指摘します。
すべて損得勘定に関係してるんですね。
こうした、「有意義至上主義」から脱することは、結局、社会の基準や他人の評価を気にして、「世間並みの幸せ」を求めているにすぎません。
そうではなく、自分の本能に従って、心身ともに自由になることが、自分の幸せを探すことにつながります。
人生の意味は、あらかじめ存在するものではない
現代教育の弊害により、私たちは「正解がある」と思いがち。
でも、人生の意味に、正解なんてないし、どこかに正解が置いてあったり、誰かが与えてくれるものではありません。
本書では、「人生の意味」は、自分が主体的に「意味を求める」行動をする=「意識を向けること」で初めて出現すると説きます。
最初にFIREという概念を知った時、「あ、これを目指せば、自分も幸せになれそう。」と思い、なんだか正解を見つけた気がしました。
ところが、実際にセミリタイアを目指していくと、「セミリタイア=幸せ」ではないことに気付き、別の正解を求めるようになります。
例えば、資産の多さとか、SNSのいいねとか、社会的な地位とか…
でも、こうした「どこかに存在する正解」を求めている限り、自分にとっての「意味」は見えてこず、いつまでも不全感を持ち続けることになりそう。
そうではなくて、「自分は何に満足を見出すか?自分にとって幸せとは何か?」を探求していくこと、それ自体が大事ということでしょう。
本書でも、生きる意味を感じられるのは、自分の心身を中心に据え、生き物として自然な在り方を戻すこと。
つまり、「本当の自分」を「探す」のではなく、「取り戻す」あるいは「(様々なしがらみから)脱け出る」ことで達成されると説きます。
自分に置き換えて考えてみると、少欲知足について考えるとか、セミリタイアして、仕事と距離を置き、自分の心身の声に耳を傾けるといったことは、「生きる意味を探す行動」の一つかなと思いました。
まとめると、
生きる意味は、自分から探そうとしないと、絶対に見えてこない。
そして、探すとしても、自分の外に探したり、社会が用意してくれているはずと思って探すのではなく、自分の内に目を向けていかないと見つからないよ、ということと理解しました。
さらに本書では、自分探しが永遠に終わらない理由として、生きる意味を外に求めてしまうこと、特に「職業」という狭い範囲に求めてしまっているところにあると言います。
どこかに理想の職業や職場が用意されていて、それを探し求めていたのでは、永遠に終点はやってきません。
むしろ、労働(+その背景にある物質や社会的地位、金銭等に掛かる欲)から解き放たれて、自分に目を向けましょうやと。
そういうことですね。
うーん、すごくスッキリした🌟
要は、「正解探しゲーム」から降りて、自分の内側をゆっくり掘るのが大事なんでしょうね。
私も、セミリタイアは、その時間を取り戻す第一歩だと思っています。
ハングリー・モチベーションの時代の終焉
「ハングリー・モチベーションの時代」とは、生きるためにすべきことが明確で、生き方を悩む必要がなかった時代(何らかの「渇望感」が動機になっていた時代)のこと。
「不自由➡自由」を目指すのは、「マイナス➡ゼロ」を目指す過程であり、目的がはっきりしています。
方向性も定まっており、分かりやすい。
一方、「自由➡幸福」のように、「ゼロ➡イチ」や「イチ➡多数(場合によっては無限大)」を目指す場合、私たちは、その多様さに圧倒され、途方に暮れてしまいます💦
これは、セミリタイア達成者や退職者が、退職後に虚無感を感じる構図と同じですね。
本書では
必死に追い求めていたはずの「自由」が、今度は皮肉なことに「厄介な困難」として我々の前に立ちはだかってくる
「不自由」が解消された途端、「自由」はもはや目標ではなくなり、「さ、どうぞご自由に」という不敵な笑みを浮かべて、途方もない謎掛けのように私たちにのしかかってきます
と表現しています。
実に分かりやすいですね。
この辺りは、私の好きなマンガ「天(17巻)」と一緒です。

“自由”を手に入れたいけど、自由は自由で「さて、何すんの?」と詰め寄ってくるんですよね💦
ヤツは、圧が強い…( ´艸`)
自発性が大事
こうした分かりやすい目標を失った現代においては、自分自身の中に楽しみや喜びを見出し、自己完結(本書では、他者に頼らずとも、自分で満たしていけるような状態という意味で、「自家発電」と表現)していくことが重要。
それができて初めて、他人や物に依存せず、自立していけます。
このように、自分の人生を生きるためには、「自発性」が非常に大切です。
そして、自発的な人間の例として、芸術家と子どもを挙げています。
確かに、幼い子どもは、のびのびと過ごしていて、とても幸せそうです。
それは、欲求に忠実で、「遊び」が日常になっているから。
大人のように、オンオフの使い分け(ホンネとタテマエ)がないし、仕事を優先して「遊びは二の次」みたいな生き方をしていないからなんですね。
我々は、「今ここ」に目を向けるべく、必死でマインドフルネスや瞑想に取り組みます。
社会を生きる上で、我慢して周りに合わせたり、社会や組織の中で、一定の役割を果たしたりすることは必要で、全部好き放題にはできません。
だから、時に、自分を解放するようなアクションを取って、バランスを取っていますね。
でも、子どもは、無意識にそれができてしまう。
だからこそ、生きる意味などに悩まず、幸せに生きられる。
そして、誰もが子どもだった時があり、そのようになれる素質がある。
他人の目を気にして自分を抑えるのではなく、子どものように、何かに夢中で取り組んだり、何かを気にせず遊んだりすることが、実はとても大切です。
こうした遊びを遠ざけている理由として、著者は、「質より量を求める傾向」、「頭で合理的に考える傾向」、「労働や備えることへの過度な執着があり、その反作用として「今を生きる」「楽しむ」ことを良からぬことと捉える倒錯した価値観がある」と指摘します。
要は、頭で考えすぎ!ということですね。
アリとキリギリスの例も出ていましたが、Die with zeroの発想と全く同じです。
納得の行く人生を送るという観点からは、やはりキリギリス的な生き方を取り入れることが重要と分かります。
まとめ
本書のポイント
- 人生の意味は外に求めない
- 仕事を“人生の中心”に置きすぎると、迷子になる
- 必要なのは「自分を取り戻す」ことであって、「新しい何かを獲得すること」ではない
自分らしさを見付けていこう!
セミリタイア・FIREを目指す方の多くが、その過程において、「本当に必要なのはお金ではない。人生の目的や自分らしさだ!」ということに気付きます。
でも、なんだか「自分探し」って恥ずかしい、無意味、そもそも人生に意味なんてないといった意見もあり、なかなか本気で向き合うことが難しい💦
私を含め、そもそも、「自分が本当にやりたいことは何なのか?何」「をどうすれば、それが見えてくるのか?」といったことすら、よく分かっていない人が多いかもしれません。
そして、分からないことは、当然、不安に感じます。
この辺りが、セミリタイアへの大きなハードルになっているのでしょう。
資産は数値であり、増えたことが目に見えて分かるので、指標として分かりやすい。
一定の努力をすれば増やすことができ、その方法論も、近年、急速に確立されてきた感があります。
リベ大でお馴染み、5つの力ですよね。
一方、資産が増えて、自由にする選択肢を得た後、いざ何をすればよいのか?
ここで、はたと詰まる人は多いです。
本書は、そこで、外に正解を求めるのではなく、自分の中に、もともとあった物を取り戻すのがよい。
そして、そのためには、何か新しい知識を得たり、特別にお金を払ったりする必要はありません。
自分の心の声に耳を傾け、それに従って行動すればよいと説きます。
何だか安心できるメッセージですね🌟
楽しみながら、自分探しを!
セミリタイアは、確かに、人生の大きな方向転換ですが、心の声に耳を傾けるために、重要な選択肢だと思いました。
未知に対する不安はありますが、期待や憧れも大きくあります。
遠足の前日のようなワクワクする気持ちを大切に、セミリタイアまでの歩みを進めていきたいと感じました。
本書は、難しいテーマを、非常に分かりやすく説明してくれる名著です。
特に、「Die with zero」、「死ぬときに後悔しないこと」、「アカギ」など、私の人生哲学に影響を与えた考えが、随所にちりばめられています。
これらの本がお好きな方は、絶対に刺さると思いますよ!
