セミリタイアは「人生を楽しむフェーズ」の前倒し シリーズ―セミリタイアの心理学【ミドルエイジ・クライシス編④】

前回は、セミリタイアを考えることで、お金や時間に対する価値基準が、どのように変わっていくのかを見てきました。

競争や評価よりも、「自分の納得感」を重視する、という話ですね。

ただ、考え方が分かっても、日々の生活はすぐには変わりません。

では、実際には、どこから手を付けていけばよいのでしょうか。

最終回となる今回は、「自己満足」という軸を、日々の選択の中でどう育てていくかを考えます。
そして、セミリタイアを「人生を楽しむフェーズの前倒し」と捉え、MCが持つ意味を改めて整理していきます。

ただ、長年、社会生活を送ってきた私達は、世間体などの外部基準を参照することに慣れ過ぎて、どうしたら自分が満足するのか、分からない場合があります💦

また、「自己満足=自己中」みたいに、ネガティブに捉えられやすい面もあります。

ですが、ここで言う「自己満足」とは、他人を顧みない利己主義ではありません。

他人や社会に人生の判断を委ねるのをやめ、自分の納得感を基準に選択するという、“責任ある自己中心性”です。

そして、MCを抜ける鍵は、「外側の評価」から「自分の納得」へと、基準を緩やかに移すことでした。

ここからは、「自己満足」という自分軸を定めていくにはどうしたらよいか、具体的に考えていきます。

目次

自分に集中する――物差しを内側に戻す

「他人や世間の価値基準に依存しない」
やはり、ここがスタート地点になりますね。

好みは外注できないので、“自分がどう感じるか”という一次情報に戻るしかありません。

この問いを、日々の選択の前に置いてみるだけで、人生の主語が静かに戻り始めます。

自分で判断しろ…! ゴルゴ13より

「好き/心地よい」のタネを拾う

ただ、なかなか自分の満足感につながるものって、分からないですよね💦

そんな時は、小さな「いいな」「ちょっと気になる」を拾い上げるとよいと思います。

「ハッキリ・大好き!」じゃなくていい。

小さく始め、合えば続けるし、合わなかったら離れる。
そうしたステップの軽さこそが、探索を続けるための条件になります。

ただ、時に、「続けないと、良さが見えにくいもの」もあります。
なので「お試し期間」を意識的に設けるとよいです。

セミリタイアを考えている人は、計画作りに慣れているはず。
どこで一区切りつけるのか?決めておいてもよいかもしれませんね📅

童心にかえる――没頭の回路を取り戻す

「好きかどうかを考える」なんて言うと、堅苦しいですが、要は「子どものように夢中になれるか」ということ。

時間が経つのを忘れた、周りの目も気にせず夢中になった…
そういった感覚が手掛かりになります。

社会的地位や常識と折り合いをつけるのはあとでOK。
まずは没頭の芽を拾い上げ、温めること🌱

子どもに返ることを、意図的に許す感じ。
まずは、自分自身に “童心にかえってもいいんだ”と言い聞かせたいですね。

うさ

最近、Dr.マリオにドハマりして、140時間を費やしましたwww

「ゲームは典型なムダ時間」と思ってましたが、振り返ると、「役に立つか」ではなく、「ただ夢中になれる」という感覚を取り戻す、よい経験だったように思います。

Dr.マリオ中の私 ゴルゴ13より

ポジティブに気づく力を養う

よく言われるように、気の持ちようで、世界の見え方は変わります。

好き、いいな、うれしいといったポジティブな気持ちに気付くには、日頃から、そういったことに意識が向いていた方が有利。

脳は、「笑っているうちに、楽しくなる」ようにできています。
なので、最初は形から入ってOK

そうやって、ポジティブなレンズを磨けば、世界の彩度は上がります。

自分で気分を上げられるようになったら、最強です!

ハードルと期待値を下げる――“少欲知足”のススメ

自己満足を高めるうえで、もう一つ大切なのが、ハードルや期待値を下げておく。
期待値が高いほど、現実とのギャップにガッカリしやすくなるからですね。

まず、目標のハードルを下げてみる。

小さく区切っておけば、達成できる機会が増えます。
すると、「今日は、これでよし」「思ったより、ちゃんとやれた」 と、自分を肯定できる場面が増えます。

これは、意外と侮れません。

また、最初から「ダメ元」くらいに考えておくと、うまくいかなかった時の落ち込みが小さくなります。
少しでも期待を上回れば、「思ったより良かった✨」と感じられます。

期待値を下げておくというのは、現実を悲観することではなく、満足しやすい位置に、自分の基準を置き直すということ。

以前、記事にした「少欲知足」も大事ですよね。

満足のハードルを下げることは、結果的に、ポジティブな感情を得る回数を増やしてくれます。

こうして「満足できた」という小さな実感を積み重ねていくことが、MC期の揺れや不安を、少しずつ和らげてくれるのではないでしょうか。

まとめ

セミリタイアは「人生を楽しむフェーズ」の前倒し

人生の後半で後悔するのは、「もっと働かなければよかったこと」だそうです。

一方で、「若い頃に遊び過ぎてしまった」「楽しんでばかりだったので、後悔している」という声は、あまり聞きません。

これは偶然ではないと思います。

特に中年期以降、体力や好奇心、人間関係、時間の自由度といった、「楽しみを味わうための条件」は、少しずつ失われていきます。

その現実を、私たちはどこかで薄々感じている。

だからこそ、それがミドルエイジ・クライシス(MC)という形で現れるのだと思います。

MCとは、「このまま先送りを続けていいのか」「本当にやりたいことは、一体いつやるつもりなのか」と、自分の内側から問いを突きつけられる時期なのではないでしょうか。

その問いに対する一つの答えが、「セミリタイア」という発想です。

セミリタイアは、仕事を完全にやめることでも、責任から逃げることでもありません。

「人生を楽しむフェーズ」や「自分を中心に据えた生活」へと切り替えるのを、少しだけ早める選択です。
外部の評価というノイズを一段小さくし、自分の感覚にピントを合わせ直す感じ🔍

その積み重ねが、「後悔する確率」を確実に下げてくれるはずです。

まとめのまとめ

最後に、ここまでの話を整理します。

  • MCは、人生の棚卸しサイン💡
    順調に見える日常の中で、「この先をどう生きるか」を問い直す合図
  • セミリタイアは、「自分中心の生活」の前倒し📚
    老いや喪失を待ってから考えるのではなく、余力のあるうちに、少しずつ人生を組み替えていくこと
  • 鍵になるのは、「自己満足」という軸🔑
    他人の評価や社会的正解ではなく、自分の納得感を基準に選び、引き受けること
  • セミリタイアは、自己満足のカタマリ🔴
    だけど、それでいいし、それがいい

人生をどう生きるかに、唯一の正解はありません。

ただ、「自分の人生を、自分で引き受ける」という姿勢だけは、誰にとっても必要でしょう。

そして、ミドルエイジ・クライシスは、人生が行き詰まったサインではなく、「ここまで、よく来たなぁ」と振り返り、「この先をどう歩くか」を考えるための時間なのだと思います。

喪失に目が向きやすいMC期を前向きに捉えるためにも、「セミリタイア」という発想は、やはり有効だなと思います。

本シリーズが、MCを迎える方にとって、小さなヒントになれば嬉しいです💡

この記事を書いた人

2021年からセミリタイアを目指し奮闘中。節約、株主優待、資産運用が好き。
臨床心理士、宅建士、FP2級、自分探し検定5級🌟
趣味は湯治♨レトロゲー🎮名水マニア💧
リタイア後のマインドの持ち方などについて、心理学的観点から整理してます。

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