こんにちは!
セミリタイア志望のうさうさです。
公務員として15年近く働いてみて、様々なデメリットが見えてきました。
セミリタイアを目指す理由に直結しますので、ここで整理してみたいと思います。
セミリタ志望の方や公務員の方は、ご自分の職場環境などと比較して、セミリタイアへのモチベーションを高めていただけると思います。
それでは参りましょう!
なお、熱意をもって公務員をされている方を非難するつもりは、全くありません。
あくまで私個人の印象、受け止めということで、ご了承ください。
デメリット1 旧態依然の組織体質
基本的に、変化を嫌う組織のため、全システムが古いです。
依然としてFAXを使用し、ハンコによる決済がスタンダード。
電子決済システムが導入されつつありますが、これがまた使いにくい。
一部、在宅ワークが導入されましたが、コロナ禍でなければ、厳しかったでしょうね。
副業解禁など、夢のまた夢です。
デメリット2 無駄の多さ
メール、会議、課題など、とにかく無駄のオンパレードです。
例えば、連絡メールは、基本的に横スライドのため、一人一人が同じ文章を読んで、イチから理解しないといけない。
要約を付ければ、後続者は省力化できるのに、面倒なのでしない。
「組織全体で損得を考える」という発想が全くありません。
おそらく民間で、こんな杜撰なことをしたら、社長に叱られるでしょう。
また、課題は、基本的にトップダウンなので、現場レベルでは、誰もその目的や必要性が分かっていません。
よくあるのはマニュアル作り。
何か問題が起きると、原因をしっかり考えず、すぐにマニュアルを作ろうとするのですが、マニュアルを作ること自体が目的化するため、出来上がったものは誰も使いません。
そして、数年経つと忘れ去られ、再び問題が起きると、またマニュアルを作るというループ。
賽の河原積みと全く同じです。
デメリット3 横並び、同調圧力の強さ
改善すべき点は山ほどありますが、誰も変えようとはしません。
また、採用当初は疑問を持っていた人も、次第に、平然と前例踏襲を決め込みます。
なぜか?
背景には、「皆、同じである」「横並びであるべし」という考えがあるからです。
私も、はじめは、組織の全容が見えなかったこともあり、「偉い人が考えてもできないのだから、さぞ難しいのだろう。」と思っていました。
しかし、実態は、「偉い人ほどやらない」が正解でした。
この事実を知ったときは、愕然としましたね。
尊敬していた上司に、「上層部はどう考えているのですか?」と尋ねたところ、「こういう組織だから仕方がないよ。皆、我慢してるんだ。」とけんもほろろな回答だったことを思い出します。
結局、皆、「本音と建前がある」ことを知り、「自分では改善できない」と悟り、「空気を読んでやり過ごす」ことを覚えていくようです。
一刻も早く辞めないと、自分も同じになりそうで、怖くなったのを覚えています。
デメリット4 ミスに不寛容、減点主義
このように、改善を諦めるようになる背景要因は、減点主義にあると思います。
目立ったことをしてミスると、人事評価がマイナスとなります。
一方、無難にやり過ごせば、大したことをしていなくても、昇給しますから、そんなリスクを冒す必要性は全くありません。
部下からは、改善案が出ることもありますが、基本的に取り合いません。
前述の(無駄な)課題に腐心していた方が、よほど上司の覚え愛でたいからです。
若手の頃は、この「減点主義」というのが本当に不思議でした。
公務員の理念は、全体の奉仕者であり、利用者の役に立つこと。
そのためには、事務の効率を上げたり、現状を見直して改善していくのが当然と思っていましたし、皆、そうしていると思っていました。
しかし、上が設定した課題に沿ったものでなければ、どれだけ奮起して取り組んでも、ほぼ評価されません。
反面、少しでもミスをすると、ひどく叩かれ、大きく減点されます。
それが、チャレンジの過程で生じる積極的なミスや、交通事故のような偶発的なものであったとしても、関係ありません。
こうして次第に、チャレンジ精神や改善意欲はそがれ、与えられた仕事以上のことは一切しない、「立派な歯車」となっていくわけです。
一人一人の意思や自律性、やりがい、目的意識は失われ、ロボット化するということですね。
デメリット5 没個性、非適材適所
一応、人事制度としては、「色々な部署を経験させて、能力伸長を図る」という方針があるようですが、決して、その人の個性に合った仕事が与えられるわけではありません。
「優秀な人材=色々なところで、摩擦なく動ける歯車」ですから、下手に専門分野などを持って尖った人材になられると、汎用性が減るため、困ります。
ジェネラリスト(ただし、組織内限定)推奨です。
中には、高い能力を持った方もいらっしゃいますが、そうした方々は、早い段階で目を付けられ、激務の部署で、使い倒されていきます。
そして、一層、歯車化する/率先して新しい歯車を生み出そうとする/歯車であることを自覚しつつも諦めていく…様々なタイプになっていきます。
しかし、優秀な人と無能とで、実は、給与は大きく変わらないのです。
身を粉にして働いても、のらりくらりと窓際でお茶を飲んで座っていても、もらえる額はほぼ同じ(むしろ各種手当や残業代の付け方などによっては、後者が上回ることさえあります)。
こんな状況で、モチベーションが上がるはずありません。
なお、職員の個性を消すことは、「いくらでも代替が利く」というメリットにもつながります。
また、政治家が決めた政策を実行する際に、現場レベルで、あれこれ意見を出されたら、全く進まないでしょうから、「黙って従う職員を増やした方が、話のとおりが良くて便利」という側面もあると思います。
結局のところ、公務員という組織は、「組織を動かしていくこと・存続させること」を優先するため、それに反する動きは、必然的に排除されていくのでしょう。
ある意味、非常に合理的ではありますね。
デメリット6 上司・同僚・部署ガチャ
毎年、部署移動が行われ、仕事、人間関係、地域などがシャッフルされます。
その結果、よい仲間・仕事に恵まれればよいですが、当たりはずれが本当に大きい。
そして、当たりを引いても、心地よい環境は長くは続きません。
人事権を握れる人は、ごくわずか。大多数は、完全に運任せです。
私自身は、比較的同僚に恵まれてきましたが、数年前、同僚ガチャを外した年は、地獄でした。
わずか1年程度であっても、毎日顔を合わせ、否応なく仕事を共にしなければならないというのは、本当に精神をえぐります。
この「自分ではどうしようもない」という無力感は、セミリタイアへの大きな原動力になっている気がします。
デメリット7 優秀な人ほど、辞めていっている
霞が関の官僚が続々と辞めているというのも、よくニュースで聞きますね。
私も、ここ数年で、優秀な知り合いが何人も辞めました。
その結果、残るのは無能、もしくは感覚の合わない人ばかりになっていき、より居心地の悪い職場となっていきます。
さらに、昔あった福利厚生や既得権益なども、どんどん剝ぎ取られています。
乗っているのは、大船ではなく泥船ではないか?と感じずにはおれません。
チキンレースであれば、早めに脱した方が有利でしょう。
デメリット8 実は、安定していない。
公務員の代名詞「安定」ですが、本当でしょうか。
私は、違うと思います。
「給与の未払いがない」「クビになりにくい」という2点を除き、全く安定していないと思うのです。
例えば、
- 人的資本が育たない
旧態依然とした組織であり、「完全公務員シフト」を敷いているため、民間で通用するような技能は、基本、身に付きません。
いわゆる「つぶしの利かない人材」です。生涯公務員ならよいですが、前述のとおり、泥船に乗り続けることと同義。
果たして、矛盾を抱えたまま続けられるでしょうか
- 時代に取り残される
クラウドが当たり前の現代に、FAXを使っていることから分かるように、流行りものに疎く、変化を嫌う組織です。
世の中、日進月歩で進化しているのに、全くついて行っていない感じ。
人生80年時代。定年退職後、まだ働かなければならないのに、できることが何もない。そんな可能性もあるのです。
人生全体で見たときに、「安定」と言えるでしょうか
- 決して続けやすい仕事、職場ではない
基本、やり甲斐は持ちにくいですし、いつ外れガチャを引いて、メンタルをやられるか分かりません。
「安定=サステナビリティ(続けやすさ)」と考えた場合、見える景色は全く異なると思いませんか
社会が多様化する中、限られた生き方しか選択できないというのは、考えてみると、非常に怖いことです。
私を含め、公務員は、安心・安定を好み、慎重で保守的なタイプの方が多いと思いますが、そうであればなおのこと、こうした実態にきちんと目を向けて、少しずつ変化していく必要があるのではないでしょうか。
少なくとも、人(上司)や組織に任せっぱなしではまずい、そう強く感じました。
終わりに
望んでなった公務員ですが、働いているうちに、様々なデメリットが見えてきました。
いずれも私が実体験を通じて感じたことですが、決して不満を述べるだけで終わるつもりはありません。
このような問題を感じたからこそ、自分は、公務員という組織に依存せず、より望ましい人生を自分で選んでいけるように努力したい。
そう思います。
また、公務員には、様々なメリットもあります。
それらは、別途、まとめたいと思いますが、メリット・デメリットを自分なりに整理した上で、それでもセミリタイアしたいのか?本当に公務員を辞めて、別の生き方をしたいのか?を掘り下げて考えてみる必要があると思うのです。
公務員には、公務員なりのセミリタイアの形が、きっとあります。
お読みいただいた方のご意見も、ぜひ聞かせてください。
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